【下地剤】絵具の滑りを良くし発色をあげる

下地材

下地剤とは

キャンバスなどの支持体に下地剤を塗ることで絵具の発色を高めたり、作品の耐久性を上げることができます。キャンバスの凹凸を消し画面を平滑性にしたい場合にも使用されています。

吸水性下地と非吸水性下地

下地の性質は大きく分けて吸水性下地非水性下地の二種類あります。

吸水性下地は絵具の水分を吸収し乾燥を早めます。乾燥の遅い絵具に適した下地です。

非吸水性下地は絵具の水分を吸収しない下地です。絵具の伸びを向上させ滑らかな描き味を得ることができます

吸水性下地にメディウムを混ぜ吸水力を落とした下地を作ることができます。
下地の作りやすさや使いやすさを研究し自分の表現に適した理想的な下地を見つけ出すことが非常に重要です。

ジェッソ


ジェッソはアクリル樹脂を使用した下地剤です。各メーカーから販売されています。

顔料、炭酸カルシウム、アクリル樹脂などが主成分です。

膠を使用する下地剤に比べある程度長い期間保存でき、乾燥後は非吸水性下地になります。
ジェッソはチューブタイプで販売されているものが使いやすいです。

ジェッソの注意点
ジェッソは封を開けて長期間放置していると容器の中で固まる可能性があります。
封を開けた後、半年以上の保管はオススメしません

ジェッソで平滑な下地を作ることが可能

ジェッソを塗って乾燥させた後、ジェッソをやすりで研磨することで平滑な下地を作ることができます。
やすりで研磨する場合耐水ペーパーによる水砥ぎがおすすめです。

水研ぎの注意点
水砥ぎをする場合、ジェッソが完全に乾燥していなければいけません。
ジェッソを塗ってから二日は乾燥させましょう。

色の付いたジェッソ

カラージェッソ、アクリルカラーファンデーション等の商品名で各メーカーから販売されています。
豊富なカラーバリエーションがあり、作品の下塗りとして大変重宝します。
画面を単色でマットに塗りたい場合とてもオススメです。

各メーカーのジェッソの特徴

ホルベイン

指触乾燥までのスピードが速いため薄塗の場合塗ってから二時間後には研磨することができます。
乾燥後はさらっとした冷たい肌触りになります。
ホルベインのジェッソは粒子の粗さがSからLLまで4つの段階に分かれています。
ジェッソSは非常に滑らかでジェッソLLはざらついた質感です。

クサカベ

乾燥速度が速く指触乾燥の段階で研磨することができます。
ジェッソ軟練りとジェッソ硬練りの二つの種類があります。

ジェッソ硬練りの特徴
ジェッソ硬練りはヘラやナイフで下地を塗ることができます。
下地剤としてよく使われるモデリングペーストに比べ乾燥が遅く粘りが強いため画面を傷つけることなくし下地を作ることができます。
モデリングペーストで下地作りがうまくいかない場合、ジェッソ硬練りをオススメします。

ゴールデン

樹脂分が多い柔軟性が高い下地を作ることができます。
ゴールデンのジェッソは指触乾燥時に研磨してしまうと
画面が崩れる可能性があります。
研磨する場合は一日以上乾燥させる必要があります。

吸水性下地


油絵具と相性がいい下地です。絵具の乾燥を早めたい場合に使用します。
下地が絵具の水分を吸水するため絵具の伸びが悪くなります。

吸水性下地を塗るときの注意
吸水性下地は塗膜が割れやすいため一度にたくさんの下地剤を塗ることができません。

厚くフラットな層を作りたい場合、薄く複数回塗り塗膜に厚みを出します。

キャンバスに塗る場合の注意
キャンバスなど柔軟性を持った支持体にキャンバス目が消えるほど厚く地塗りをするとひび割れる可能性があります。

キャンバスに吸水性下地を塗る場合は下地を三層程度に抑える必要があります。
木製パネルのような固い支持体は塗膜に厚みを出しても問題ありません。

吸水性下地で平滑な下地を作ることが可能

乾燥後研磨することで平滑な画面を作ることができます。
吸水性下地はジェッソよりも研磨しやすくヤスリも目詰まりしにくいです。
吸水性下地は多くの場合水と相性が悪いので、水砥ぎはオススメできません。

吸水性下地の種類


白亜地

油絵の伝統的な下地です。炭酸カルシウム(ムードン)、顔料、膠水、水を混ぜて作ります。
安価で大量に作ることができます。
白亜地の保存期間は冷蔵庫に入れて3日から5日が限度です。
膠を使用しているため乾燥後の水砥ぎは控えたほうがいいでしょう。

アブソルバン

炭酸カルシウム(ムードン)とアクリル樹脂が主体の吸水性下地剤です。
ジェッソと同じように長期間の保存が可能です。
アクリルの艶ありメディウムを混ぜることにより吸水性を低くすることができます。

胡粉ジェッソ

貝を砕いた粉を使用したジェッソで吸水性に優れています。
乾燥後はジェッソに少量の薄小麦色の砂を混ぜたようなテクスチャができます。
1ミリ程度の貝のかけらも入っているので気になる方は茶こしで胡粉ジェッソをこしてから塗りましょう。


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