目次
感光乳剤とは
感光乳剤は紫外線で固まる乳剤です。
感光乳剤は版全体になるべく均等に塗ります。乳剤を均一に紗に塗るには「バケット」という道具を使用します。
感光乳剤は紫外線を当てなければ水で洗い流せます。
なので、「図案」を紗にかぶせ図案以外の部分を紫外線で固めます。
図案部分は紫外線を通さないように黒色で印刷するので乳剤は固まりません。
紫外線で乳剤を固め、固まってない図案部分の乳剤を洗い流すと図案の形に絵具やインクが通り印刷できるようになります。
感光乳剤を買う
感光乳剤はシルクスクリーンを取り扱っているネットショップで販売されています。
小さな版に試しに刷ってみたい場合は「サン描画乳剤」がおすすめです。
ネットショップや世界堂で購入できます。
よく利用するシルクスクリーン用品店
感光乳剤の種類について
感光乳剤は「耐水性」「耐油性」「耐水性耐油性両用」3つの種類があります。
水性塗料を使用する場合「耐水性」を使用し溶剤系塗料を使用する場合「耐油性」を使用します。
版を洗う際、水性塗料をシンナーで落としたい場合「耐水性耐油性両用」を使用します。
感光乳剤の保存の仕方
感光乳剤は熱に弱いので、冷蔵庫で保管します。
一般的な感光乳剤の使用期限は「ジアゾ感光剤」を乳剤に混ぜてから2ヵ月程度ですが、半年以上保管した感光乳剤でも問題なく使えるケースもあるそうです。
感光乳剤を塗る前に!部屋に太陽光が入らないようにする
感光乳剤は紫外線で固まるので、部屋に外から太陽光が絶対に入らないようにします。
一般家庭で使用されている蛍光灯は感光乳剤が固まる紫外線の波長ではないので短時間であれば部屋の電気は付けて作業しても問題ありません。
注意
数時間部屋の明かりに乳剤をさらしてしまうと固まってしまう可能性があります。
なるべく手早く作業を進めます。
バケットで感光乳剤をスクリーンに塗る
バケットを利用した感光乳剤塗り必要なものリスト
- 「版」木枠に紗を張ったもの
- 「感光乳剤」今回使用する感光乳剤は水性のAF-101です。
- 「バケット」感光乳剤を紗に塗るときに使用します。
- ぬるま湯
- 小皿と筆
- ヘラ
- ドライヤー
バケットを使った感光乳剤塗り作業手順
乳剤と「ジアゾ感光材」「着色剤」を混ぜ合わせる
今回使用する感光乳剤は水性のAF-101です。
感光乳剤の箱を開けると銀色の袋に入った「ジアゾ感光材」と青い容器に入った「着色剤」が入っています。
「ジアゾ感光剤」を小皿に出し100ccのぬるま湯に筆で溶かします。
続いて「着色剤」を入れます。
「着色剤」は感光乳剤の塗れていない部分を見つけやすくするために乳剤に色を付けます。
完全に混ざるまでヘラで混ぜます。
感光乳剤の中に入った泡を抜くために冷蔵庫で半日寝かせます。
乳剤の混ぜ合わせ作業は以上で完了です。
スクリーンに感光乳剤を塗る
混ぜた感光乳剤を「紗」に均一に塗ります。
乳剤を均一に紗に塗るには「バケット」という道具を使用します。
版が小さい場合は「スキージー」で塗ることもできますが、版が大きい場合はバケットを使用したほうがスムーズに作業を進めることができます。
コロコロ(粘着カーペットクリーナー)で紗の両面にについたほこりを取ります。
版がずれないようにつっかえになる木材を置き版を壁に立て掛けます。
バケットを紗に当てます。木枠部分にバケットが当たらないように注意です。
バケットをスクリーンに当て、斜めに傾けます。
感光乳剤がバケットと紗の接地面に十分にいきわたるまで待ちます。
紗にバケットをしっかりと押し付けながら、バケットを上へゆっくりとスライドさせ感光乳剤を紗に塗っていきます。
塗るときは途中で止まらず、一息で最後まで塗ります。
紗の最上部まで行ったら、バケットを水平に戻し、感光乳剤がバケットの中に戻るまで待ちます。
塗ったときにバケットの両端に感光乳剤がたまってしまいます。
バケットを水平にしてスクリーンの脇に溜まった感光乳剤を取ります。
感光乳剤を塗るわけではないのでバケットを傾ける必要はありません。
たまった感光乳剤は片方ずつ取ります。
同じ作業を裏面も行います。
バケット内の感光乳剤を100円ショップで購入したゴムべラで容器に戻します。
バケット内の感光乳剤を容器に戻した後、バケットを洗剤で洗います。
感光乳剤を乾かす
スクリーンの両面をドライヤーで乾燥させ、感光乳剤塗り作業は完了です。
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